イオン注入(5)

イオン注入をガウス分布でモデル化した場合は、以下の式になる。

$$C\bigl( x \bigl) = \frac{\Phi}{\sqrt{2 \pi }\Delta R_p} exp \Biggl
( – \frac{\bigl( x-R_P \bigl)^2}{2 \Delta R_p^{2}} \Biggl) \\
\Phi:ドーズ量\\
\Delta R_p:標準偏差\\
R_p:飛程$$

KURO
つまりどういうこと?
NIKE
ドーズ量(注入したイオンの数)と飛程(分布の中心)をつかってガウス分布で分布をモデル化できるということだよ。より正確な分布はモンテカルロ法を使う必要があるけど、ガウス分布での近似でも実際には使えるよ

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イオン注入(4) チャネリング

チャネリング現象について

非晶質の場合は問題にならないが、注入する基板が単結晶の場合はチャネリングという現象が現れる。
加速したイオンが結晶軸と一致してしまう場合に生じる現象で、結晶の隙間をイオンがすり抜けるように進みます。
これにより、注入するイオンの分布が計算などより深くなります。
シリコンでは、7°にウェーハを傾けたり、事前に非晶質層をつくるプリアモルファス化(Siイオンを打ち込む)を行うなど対策を行っています。

KURO
結晶をすり抜けると電子や原子の影響を受けにくいから、計算(アモルファス状の結晶を想定)より深くなるということだよ。

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イオン注入(3)

イオン注入についてその3

実際の原子と衝突する際にどのくらい変位するかについてです。イオンがシリコン原子に衝突した際に変位を起こす数は、下記のKinchin-Peaseの式によって概算されます。イオンによって衝突のエネルギーが違います。とくにB(ボロン)とAs(ヒ素)は質量差が大きいため、変位する原子の数に差が大きいです。Asの方が多い結果。
変位する原子の数の差はアモルファス化する注入量にも差がでます。これも重い質量の原子のほうがアモルファスになりやすいという結果があります。質量が大きいため、ぶつかるエネルギーが大きいためとおもわれます。
このアモルファス化した層の回復は熱処理で行うのですが、上手く行わなければ、残留欠陥やOSF(酸化誘起積層欠陥)などできてしまいますので、熱処理の条件を気をつける必要があります。

$$Kinchin-Pease の式 \\ N_d=\frac{0.42E}{E_d} \\E:原子に衝突した際に失うエネルギー\\E_d:変位エネルギー$$

KURO
Kinchin-Pease の式の変位数とは何?
NIKE
変位数が多いほど、一つのイオンが衝突した際に対象の原子が動くということです。
HAI
元の位置から移動して結晶構造が崩れるということだね。

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SRIM

イオン注入のシュミレーションソフトの紹介です。
LSS理論、モンテカルロ法のどちらでも計算が行えるようです。

日本語のチュートリアルは以下のサイトが詳しいようです。

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イオン注入(2)

イオン注入についてその2

イオン注入の代表的なシミュレーションの手段としては以下があります。
Lindhard,Scharff,Schiottによって導きだしたLSS理論とMonte Carlo法があります。

LSS理論は入射したイオンの静止する分布を確率密度を定義して、モーメントを算出する。
このモーメントからRpと標準偏差ΔRpを算出することによりガウス分布として近似できます。
精度を求める場合は実際には、左右非対称の分布になるので、それを考慮した計算した計算をする必要があります。

Monte Carlo法は、イオンの個々の動きを計算する方法で時間がかかりますが、現在では、主流なシミュレーションの方法です。

KURO
シミュレーションの方法についてだよ。

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イオン注入(1)

イオン注入について

イオン注入機によって加速されたイオンは図のような過程でエネルギーを失って静止する。
電子を励起したり、原子をイオン化したりしてエネルギーを失う過程を電子阻止能。
基板の原子との衝突でエネルギーを失う過程を核阻止能という。

KURO
原子や電子の影響を受けてエネルギーを失ってイオンがストップするんだね。

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