不純物の拡散


不純物の拡散についてです。
フィックの第2法則によって拡散はモデル化できます。
$$\frac{\partial C}{\partial t} = D \frac{\partial ^ 2 C}{\partial x ^ 2} \\ D:拡散係数 \\C:不純物濃度 \\ t:拡散時間 \\ x:距離$$

拡散係数は、Si中に導入されるドーパントの場合は以下の式で定義される場合が多いです。
$$D = D_0 exp\bigl( \frac{-E_a}{kT} \bigl) \\ D_0:無限大に外挿された拡散係数 \\ E_a:活性化エネルギー \\ k:ボルツマン定数$$
表面濃度一定の場合は、
$$C\bigl( x,t \bigl) = C_S erfc\bigl( \frac{x}{2\sqrt{Dt}} \bigl) \\C_s:表面濃度の初期値 \\ erfc:補誤差関数 \\\sqrt{Dt}:拡散長$$

実際には面方位や欠陥などによって拡散の速さは変わります。
あと、計算はもちろんプログラムでやったほうがいいです。

HAI
フィックの法則で定義されるように、濃度勾配、温度、時間で不純物の分布が変わるんだね。

MIKE
フィックの法則は拡散の場合は、拡散方程式と表現される場合もあるよ。

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イオン注入(3)

イオン注入についてその3

実際の原子と衝突する際にどのくらい変位するかについてです。イオンがシリコン原子に衝突した際に変位を起こす数は、下記のKinchin-Peaseの式によって概算されます。イオンによって衝突のエネルギーが違います。とくにB(ボロン)とAs(ヒ素)は質量差が大きいため、変位する原子の数に差が大きいです。Asの方が多い結果。
変位する原子の数の差はアモルファス化する注入量にも差がでます。これも重い質量の原子のほうがアモルファスになりやすいという結果があります。質量が大きいため、ぶつかるエネルギーが大きいためとおもわれます。
このアモルファス化した層の回復は熱処理で行うのですが、上手く行わなければ、残留欠陥やOSF(酸化誘起積層欠陥)などできてしまいますので、熱処理の条件を気をつける必要があります。

$$Kinchin-Pease の式 \\ N_d=\frac{0.42E}{E_d} \\E:原子に衝突した際に失うエネルギー\\E_d:変位エネルギー$$

KURO
Kinchin-Pease の式の変位数とは何?
NIKE
変位数が多いほど、一つのイオンが衝突した際に対象の原子が動くということです。
HAI
元の位置から移動して結晶構造が崩れるということだね。

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Siの結晶欠陥関係

Siの結晶欠陥の紹介です。

シリコン中に欠陥があるとリーク電流の増加や耐圧不良などの不良チップの原因となります。

defect etch(欠陥の選択エッチング)
defect etchをすることで可視的に欠陥を評価する技術です。


OSF(Oxidation Induced Stacking Faults:酸化誘起積層欠陥)
OSFはBをイオン注入で高濃度で注入する際に非晶質になった層が結晶性を回復する前に酸化することによって発生する欠陥です。

COP(Crystal Originated Particle)
結晶育成時に結晶内に生成する欠陥で原子空孔によってできる欠陥です。シリコンウエハの表面パーティクル検査装置によって検出されます。

HAI
結晶欠陥は不良に繋がる場合が多いけど、逆に有効にデバイスに利用する場合もあります。

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SRIM

イオン注入のシュミレーションソフトの紹介です。
LSS理論、モンテカルロ法のどちらでも計算が行えるようです。

日本語のチュートリアルは以下のサイトが詳しいようです。

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イオン注入(2)

イオン注入についてその2

イオン注入の代表的なシミュレーションの手段としては以下があります。
Lindhard,Scharff,Schiottによって導きだしたLSS理論とMonte Carlo法があります。

LSS理論は入射したイオンの静止する分布を確率密度を定義して、モーメントを算出する。
このモーメントからRpと標準偏差ΔRpを算出することによりガウス分布として近似できます。
精度を求める場合は実際には、左右非対称の分布になるので、それを考慮した計算した計算をする必要があります。

Monte Carlo法は、イオンの個々の動きを計算する方法で時間がかかりますが、現在では、主流なシミュレーションの方法です。

KURO
シミュレーションの方法についてだよ。

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イオン注入(1)

イオン注入について

イオン注入機によって加速されたイオンは図のような過程でエネルギーを失って静止する。
電子を励起したり、原子をイオン化したりしてエネルギーを失う過程を電子阻止能。
基板の原子との衝突でエネルギーを失う過程を核阻止能という。

KURO
原子や電子の影響を受けてエネルギーを失ってイオンがストップするんだね。

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ローディング効果とマイクロローディング効果

ローディング効果とマイクロローディング効果についてです。
まず、ローディング効果はエッチング面のパターンが大きくなることにによりエッチング速度が低下する現象です。
エッチング対象が増えるため、エッチャントの量が足らない供給律速になるためだと思われます。

マイクロローディング効果は、エッチング対象のパターンが微細化することによりエッチャントがパターンに入っていかなくなり結果としてエッチャントの供給律速になります。これにより図のようにパターンのサイズによりエッチング速度の差が生まれ形状に差が生まれます。

NIKE
似た名前の現象ですがパターンが大きすぎても小さすぎてもエッチング速度が低下するということです。

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レジスト 光の吸収と露光

露光機(ステッパー、スキャナー、プロジェクッション、コンタクト(プロキシミティ))でレジストを露光する際に十分な光をレジストに供給してやらなければなりません。最近では、シミュレーションなどで露光条件を検討することができますが、一応参考までに記述します。
図のように光は物質を透過する際に、ランベルトの法則 で減少します。
$$I=I_0 exp \bigl( -\alpha t \bigr) \\
I:透過する光 \quad I_0 :光の初期値 \\ \alpha:光の吸収係数 \quad t:物質の厚さ(レジスト厚) $$

すなわち、tの厚さが増えた場合に、直線的に増やすのではないということです。(経験上は指数的に変化。)

追記:ランベルトの法則の法則については、一般的な物質な吸収についての法則です。(ベールの法則と合わせてランベルト・ベールの法則と言われることもあります。)今、一般的に使われているレジストは化学増幅型レジストなので、露光の感度が、光の吸収量だけではないということがあります。(レジスト露光されると酸を作り、次々と反応して現像液に溶けるようになる。)よって、シミュレーションでも同様ですが実際露光する前に確認することは必要です。

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エッチングの形状評価について

エッチングの形状評価についてです。
半導体プロセスではデバイスを作成する際に決まった形状に作成をすることで設計どうりの性能を引き出すことができます。このため、エッチング工程の形状評価は重要です。
まず、始めにトレンチ形状の評価などで重要なアスペクト比について図に示します。
アスペクト比はエッチング後の横(開孔部)と縦(垂直方向のエッチング量)の比で決まります。
この比が高いもののエッチング形状をつくることは困難さが伴います。アスペクト比あげる方法としては、エッチングと保護膜作成を繰り返すボッシュ法が有名です。

次に傾斜の評価として使われるテーパー角についてです。
テーパー角は、トップとボトムの差のaとエッチングの深さbによる角度αによって評価されます。
埋め込みなどを行う際には、開孔部が広い方が埋め込みしやすいため、意図的に傾斜をつける場合もあります。

形状の直接的な評価ではありませんが、エッチングの基本の選択比についてです。選択比は被エッチング材とマスク材のエッチングレートの比です。エッチングの狙いの量に対して十分に耐える量のマスク材を厚さTを用意する必要があります。

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